公募小説に投稿して、推敲作業は大事だなって実感した
推敲作業は大事!
電撃小説大賞という、おそらくは日本で一番原稿が集まる公募に小説を投稿していました。ライトノベル系の賞ですが、割りと間口が広くて、SFや純文学に近い作品も拒まない賞です。
応募総数は約5000。入賞は毎年10作品ですから、なかなか狭き門なわけです。
華のない記事タイトルを見れば分かる通り、結果は四次選考で落選。この次の最終選考でほぼデビュー確定ですから、(大目に見て)一歩手前で落ちたということでしょうか。
富士見ファンタジアでも最終落ちしているし、なかなか最後の一歩が遠いと感じる今日このごろです。
で、記事タイトルの話ですが、推敲の話です。
ライトノベルが青少年向けの作品であることを考えると、読みやすさというのは大人向けの小説以上に重要だと思われます。
ですので、いい結果を残したいのなら、推敲をたくさんするとよいと考えられます(と言っても多くの場合、締め切りギリギリで完成するのですが)
私がこの電撃小説大賞に出した作品は二作。
一作は去年に書いたもので、もう一つは今年書いたもの。
今年書いた作品は去年の作品の半続編というか、関連作で、登場人物が相当重なる作品でした。
今年書いた作品は締め切りギリギリだったので、推敲作業はほどほど。
一方去年書いた作品は、時間的な余裕もあってたくさん推敲しました。
どちらかというと、今年書いた物のほうが私は気に入っていました。
ですが、結果としては去年書いたほうが長く生き残りました(一方、今年書いたのはかなり残念な結果に。)
もちろん、作品の質が違ったという事も考えられますが、読みやすさは去年書いたほうが上だったことは確実です。
ですので、結果がわかれたのは、推敲の量が影響していると感じている次第です。
私の推敲方法
ディスプレイで済ますか、印刷するか推敲するたびに印刷するのは面倒ですし費用もかかります。
できれば、印刷せずに済ませれば……と思うのが人情です。
しかし、どうやら多くの人が、ディスプレイで推敲作業するよりも、紙にプリントアウトしたほうが推敲しやすいようです。
私もそうです。いつもプリントアウトしています。
参考:どうして紙にプリントアウトした方が圧倒的に間違いに気付きやすいのか
最近はコンビニでもプリントできますが、まあ普通にプリンタを買うほうが安いでしょう。時間の節約にもなりますし。
それで、プリントアウトしたものに赤入れ(修正)し、データに反映。しばらく時間を置いてから再びプリントアウトして赤入れ。これを何度か繰り返すのが私の推敲方法です。
ちなみに、ブログはほとんど推敲しません。書きっぱなしです。
村上春樹流
私の方法なんてあてにならない、とおもうかもしれないので、ここでは村上春樹流推敲方法も紹介。まず、村上さん。そもそも推敲するのでしょうか。するんです。
推敲は僕の最大の趣味です。やっていて、こんな楽しいことはありません。推敲ができるから、小説を書いているようなものです。最初はだいたい流れのままにさっと書いてしまって、あとからしっかりと手を入れていきます。最初からみっちり書いていこうとすると、流れに乗ることがむずかしくなるので。推敲にとってもっとも大事なのは、親切心です。読者に対する親切心(サービス心ではなく親切心です)。それを失ったら、小説を書く意味なんてないんじゃないかと僕は思っているのですが。 村上春樹拝 (村上さんのところ より)村上さんのところ
具体的な方法は、1Q84のbook1・130頁に書かれています。
「彼はその文章をいったんプリントアウトした。それから文書を保存し、ワ―ドプロセッサ―の電源を切り、機械を机の脇にどかせた。そしてプリントアウトを前に置き、鉛筆を片手にもう一度念入りに読み返した。余計だと思える部分を更に削り、言い足りないと感じるところを更に書き足し、まわりに馴染まない部分を納得がいくまで書き直した。浴室の細かい隙間に合ったタイルを選ぶように、その場所に必要な言葉を慎重に選択し、いろんな角度からはまり具合を検証する。はまり具合が悪ければ、かたちを調整する。ほんのわずかなニュアンスの相違が、文章を生かしもし、損ないもする。」小説の中の記述なので村上さん自身の方法かどうかはわかりませんが、おそらく近いのではないでしょうか。
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
まとめ
- 推敲をたくさんするほうが通りやすいのではないか、という仮説
- 推敲は紙に印刷したほうがやりやすい。
私も早くどこかに引っかかりたいなぁ。
[スポンサーリンク]
[スポンサーリンク]