「土地は邪魔にならない」は本当か。
物を持たない、という生活をする人でも、不動産は所有することに抵抗がない人もいるはずです。
むしろ、土地などの不動産は、邪魔にならないので持っていても別に構わないと考えるほうが普通かもしれません。
一方で「先祖代々の土地」を相続し、空き家にしたまま放置している人もいます。
空き家問題は、地域の防犯上問題になったり火災の遠因になるなど近年問題視され始めました。
処分するにも解体費用が必要になったり、人に貸すにしてもリフォーム代がかさんだり。
あるいは、解体した途端税金が高くなったり。
つまり、かつて「邪魔にならない」とされていた土地も、今では人を煩わすに足りる存在になってしまいました。
これは、街にある空き家についての問題ですが、私の場合田舎にある不動産が問題になりました。
田舎でも空き家は嫌われる
田舎に家を持っています。先祖代々の土地と家ですが、すごい田舎なので誰も住んでいません。
それでも管理をしないと近所からクレームが来ます。
特に庭は雑草が生い茂るのでクレームの発生源です。
なので年に数回草刈りをする必要があるのですが、田舎が遠いので、誰かに頼む必要が。
これが結構な費用で。シルバー人材センターにぼったくられます。
だけどそこぐらいしか草刈りの仕事をしてくれない……。
所有していても費用ばかりかさんで利益は全く生み出しません。
正直いらない……。売りたくても買い手がいない……。
山林も面倒。
田舎の家以外にも山林を所有しています。
ご先祖様が子孫がこの山の木をつかって家を立てたらいい、とか考えて山に杉や檜を植えてました。
残念ながらご先祖様の目論見は大外れで、今では木を一本切るだけでも赤字です。
また田舎に住むつもりもありません。
ということで不要な山林です。
山に住んでいるひとなんていないので、クレームは来ないだろうと思ったら大間違い。
小火が起きたりします。すると消防団に菓子折りを配ったりしなければいけません。
それだけではありません。
地籍調査事業といって、GPSで土地の境界線をはっきりさせようという活動を地方自治体が行っています。
所有者の参加は任意ですが、参加しないと、境界線がわからない状態で法務省の公図に表示されて、今後の管理が困難になります。
一人だけ困難になるだけでなく、自分の土地の周辺全部が境界線不明の状態となり、多大な迷惑をかけることになるので、ほぼ強制です。
これも第三者に委任することは可能ですが、自分の山林がどこにあるか、正直自分でも把握できていないので、行くしかありません。
この秋ほどに参加してきました。一箇所だけでなく数カ所山林があるのでおそらく来年も行かなくてはいけません。
これから活用することもないだろう土地について時間を使うのはやるせないですし、ど田舎の山の中をヒルや蜂と闘いながら、分け入っても分け入っても青い山状態の斜面を歩きまわるのは本当に大変で、温厚の私も誰かに八つ当たりしたくなるくらいフラストレーションが高まります。
だ、だれか買ってください。
費用しか生み出さない不動産
こういう費用しか生み出さない不動産はまさに「ババ」で、
古くなったリゾートマンションなどはまさに「ババ抜き」が繰り広げられています。
バブル時代なら、道路建設のための土地買収で大金持ちへのワンチャンスがあったかもしれませんが、今はそんな時代ではありませんよね。
価値の無い不動産を持っていても、銀行がお金を貸してくれないですし。
相続関係で揉める原因にも
自分だけの問題なら構わないのですが、相続が絡むと一気に面倒さが爆発します。知り合いの近所の空き地は、相続で揉めたため、長年ずっと休眠状態になっています。
また相続登記はタダではないし、しかし活用することのない土地に費用を捻出するのはバカみたい。
放置して、さらに相続が起こったりしたら、ますますカオスになります。
まとめ
不動産が邪魔にならない時代はおわった。
不動産は、所有するものではなく投資するもの。
投下資本を回収できる計算が立って初めて購入するべき。
憧れだけで所有するべきものじゃない。
ましてや不要な不動産なんて所有するべきじゃない。
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