測量野帳と無印野帳、そしてダイスキン。メモ帳を比較した
メモ帳に求められるものってどんなものだろう。ある人は、サイズを重視するかもしれない。ポケットからさっと出して、さっと書けるような。
ある人はデザインが大事なのかもしれない。メモを書いている自分の姿さえも他人から美しく見られたい。そんな人もいるかもしれない。
いろんなニーズはあるだろうけど、予め客層を決めて「作られた」メモ帳なんてものは少ないと思う。客層を決めて「売られた」ものはあったとしても。
ロディアは、日本では輸入品として少し高めだからそれこそ通好みのメモ帳になってるけれど、フランスでは別段特別な層を狙って作られたメモ帳じゃない。作りも結構雑だし意外と大衆的なメモ帳だろう。
モレスキンは、自称『伝説的ノート』とか宣伝していて、なんだかクリエイティブ系な人がスタバでラテでも飲みながらラミーの万年筆でモレスキンに書き込んでいそう(もちろん、別にモレスキンの悪口を言いたいわけじゃなくて。そんなイメージがあるというだけ)。
でも、明確にクリエイティブ系の人を狙って作られたわけじゃないはず。別にレオナルド・ダ・ビンチのために作ったわけじゃないし。そもそもレオナルドダビンチはモレスキンのノートは使っていない。広告する側としてはクリエイター向けかのようにマーケティングをしたとしても、プロダクトとしてはクリエイターのために作られたものじゃない。
メモというのは誰でも使うものだから(こういうと字が書けない人に対して失礼でポリティカリー・コレクトネスを欠くかもしれない。大抵の人が使う、というふうな方が良いかな)、特段ターゲットを絞って作られたメモ帳というのはあまりない。
けれども世の中、例外というのはかならずある。『こういう人に使ってほしい』と思って作られたメモ帳がある。
そのひとつが、測量野帳だ。
測量という言葉がある通り、測量士が使いやすいように設計されている。スケッチブック、レベルブック、トランジットと三種類ある(詳しい区別は私にはわからないけど)。共通するのは野外で立ったままでも書きやすく、雨がふられる中でもメモを取れるように作られたメモ帳であること。
こんなピンポイントに作られたメモ帳はなかなかない。
ターゲット層がしっかり見えているモノは、よく考えられた一品になりやすい。結果ターゲット層以外にも浸透する。そういった原則のようなものがあるように思う。
この原則があるとした場合、測量野帳はよい具体例になるでしょう
測量士でもなんでもない人が測量野帳のファンになり、利用するようになっている。デザインの凝った限定版のような測量野帳すら売られるようになった。もはやデジタル化して測量士は測量野帳をあまり使わなくなったというのに。
そんな測量手帳の人気に目をつけたのか、無印良品も同じような商品を売り始めた。
おそらく測量野帳のコクヨのOEMだと思うけれども、測量野帳の唯一の欠点であるデザインを克服した、通称『無印野帳』。無印良品の無敵の野帳。と言っては言いすぎだけど、素敵な野帳だとは思う。
と、まあ、長い前置きは置いといて……
ここで、コスパが高いと言われる、ダイソーのモレスキン風メモ帳(通称『ダイスキン』)と測量野帳を比べたいと思います。このダイスキン、本家のモレスキンと同様、角が取れゴムバンドが付属しています。100円の割にはすごく手が込んでいるメモ帳で、最強のメモ帳という人すらいます(ちょっと大げさ)。
ただ、紙質は測量野帳より劣ります。
PILOTの水性ボールペンでテストしてみると、
無印野帳は裏写りしません。
ダイスキンは裏ににじみます。
油性ボールペンの場合、いずれも裏に滲みはしませんが、ダイスキンは裏の文字がかなり透けて見えるため、片面専用のメモにしたほうがいいかもしれません。
このようにダイスキンは藁半紙に毛が生えた程度の紙質です。
ダイスキンは96枚、測量野帳は40枚なので、ダイスキンの紙の質は値段なりということでしょう。しかたないところですね。
筆圧の弱い人で主に油性ボールペンを使う人なら全然問題ないところなので、そういう人にとっては、コスパの高い『最強のメモ帳』なのだと思います。
大きさについても、ダイスキンは測量野帳よりも縦が短く、コンパクトな印象を受けますが、分厚さについてはダイスキンは測量野帳の二倍です。この辺りでも好みが分かれそうです。
値段については、
無印野帳180円
測量野帳120円~150円(ネット上)
ダイスキン108円
そう頻繁に購入するわけじゃないことを考えると、違いは誤差でしょうね。
私の場合、ダイスキンの紙質には慣れないので、野帳たちに軍配を上げますが、ダイスキンもなかなかなメモ帳だと思います。
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