【書評】ロビン・ダンバー「友達の数は何人?」
友達の数は断捨離したつもりはないけど少ない私が手にとったのは,ロビン・ダンバーの「友達の数は何人?」でした。
目次
Part 1 ヒ ト と ヒ ト の つ な が り第1章 貞節な脳(男と女)
第2章 ダンバー数(仲間同士)
第3章 親類や縁者の力(血縁)
第4章 ご先祖さまという亡霊(民族)
Part 2 つ な が り を 生 む も の
第5章 親密さの素(触れ合い・笑い・音楽)
第6章 うわさ話は毛づくろい(言葉・物語)
第7章 今夜、ひとり?(魅力)
第8章 エスキモーのあいさつ(キス・匂い・リスク)
第9章 ずるいあなた(婚姻)
Part 3 環 境 や 人 類 と の つ な が り
第10章 進化の傷跡(肌の色・体質)
第11章 進化の邪魔をするやつはどいつだ?(進化と欲望)
第12章 さよなら、いとこたち(絶滅の罠)
第13章 こんなに近くてこんなに遠い(人類の起源)
第14章 ダーウィン戦争(進化と創造)
Part 4 文 化 ・ 倫 理 ・ 宗 教 と の つ な が り
第15章 ダーウィン戦争(進化と創造)
第16章 カルチャークラブに入るには(文化)
第17章 脳にモラルはあるのか?(道徳)
第18章 進化が神を発見した(宗教)
第19章 頭を使って長生きしよう(健康・知性)
第20章 美しい科学(芸術)
この目次にある通り、タイトルの「友達の数は何人?」に関するページは第二章だけです。
「つながり」という言葉で各章を結びつけてはいるものの、全体的に強い関連性はなく、総花的な内容になっています。
感想
適正な所有物の個数も150?
調査によると、氏族や村を構成する人数はだいたい150人。複雑な関係を維持できる上限が150なのではないか、という仮説です。
ミニマリスト・シンプルライフ、という観点でこれをみると、所有する物の個数もそれくらいが限界になるのかもしれません。
それくらい減らすと、どこに何があるのかハッキリするかもしれません。
ミニマリストには150個なんて多すぎるでしょうから、シンプルライフの指標が150になるのかも。
めざせ150個。
(わたしの場合は、本さえなければ容易)
DNA鑑定で結婚できなくなる未来
結構気になったのは、「対立遺伝子334をひとつか2つもっている男性は(中略)パートナー愛着度が低い」「欲求不満がちょっと高まっただけでも自制心を失いやすい」(109~110頁;9章)という部分。筆者は、誠実なパートナーを見つけたいならDNA鑑定をしよう、と冗談半分にいっているけれども、恐ろしい考えでもあります。近年遺伝子検査が低価格になっていて、数万円でDNA鑑定が可能になりました。この価格帯は興信所よりも安く、場合によっては結婚や付き合う前にDNA鑑定を行う、なんてことが当たり前になる時代が迫っているかもしれません。
読者のターゲットは、ちょっと知的な中高生?
新聞のコラムをまとめた本なので、一つ一つのテーマが短く、読みやすいです。これを読んだからといって、生活の改善に直結するか、といえば別。
実用性という観点で見ればあまり得るものはありません。
ただ、知的好奇心を満足させるには格好の本で、中学高校大学生が読むには楽しいのではないか、と思いました。
アマゾン: 「友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学」
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