シンプルライフorミニマリスト的視点でみる、村上春樹が「しないこと」(特設サイト『村上さんところ』より)

シンプルライフ ミニマリスト

映画『ノルウェイの森』の舞台はススキの名所・砥峰高原

村上春樹といえば、ノーベル文学賞候補としていつも名前が上がる作家です。
私もそこそこのファンで、全部ではないですけど大体の作品は読みましたし、デビュー作の『風の歌を聴け』は読むだけでなく筆写もしました。

その村上春樹さんは、特設サイト『村上さんところ』(期間限定)でファンやそうでもない人と質疑応答していらっしゃいます。(いつかまとめて書籍化もされるんでしょうかね?

追記:
書籍化されました!
村上さんのところ
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村上春樹がどういうことが好きなのか、ということは以前からエッセーなどで割りとよく触れられていて、
たとえばMac党であることや、ヤクルトファンで「1978年4月1日、神宮球場でヤクルト対広島戦を観戦中に突然小説を書くことを思い立った」という話は有名です。

一方で「なにをしないか」ということはこれまであまり出てこなかった気がします。

シンプルライフな村上春樹

村上さん自体はミニマリストではなく、むしろレコードのコレクターなのでむしろ真逆な生活とも思えますが、生活スタイルは、普通の人とは違い、村上さん独自のルールで動いていらっしゃって、かなりシンプルなライフスタイルです。
シンプルなライフスタイルを形成しているのは、何をするのかよりも何を「しない」のかです。
そういう視点で、村上春樹の特設サイト『村上さんところ』を見て、村上春樹が「しない」ことをまとめてみました。



村上春樹がしないこと10選

1. 自分の作品の書評は読まない(批判に対する心構え)

有名なのでいろいろ書かれることが多い村上さんですが、やはり傷ついたり腹が立ったりするそうです。そこで、出来る限り目に触れないようにしているそうです。
・批判に対する心構えとは(期間限定サイトのためリンク切れになりました!書籍のほうをどうぞ!)
・鋭い書評に舌を巻いた経験は?(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

2. 「人生とは何か?」みたいなことは、そんなに真剣に考えてもしょうがない

高校生に、「人生ってどう捉えていますか?」とド直球な質問を投げかけられた村上さんの答えが、上記の、真剣に考えてもしょうがない、というもの。大事なのは中身だ、と。
・さて、かばんに何を入れようか(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

3. ネットは必要なときに必要な分だけ(SNSはしない)

「知らないでいる方がいいことが世の中にはたくさんあります」
ということで、できるだけテレビもネットも週刊誌も見ないようにして、「自衛」しているようです。
・ググったり、YouTubeを使いますか?(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)
・彼女の元カレをSNSで見つけてしまった(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)
・息苦しい世の中を生きる術(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

4. 挑発されても相手にしない

有名なので、「言葉のグラディエーター」たちに絡まれる機会の多い村上さん。
その対処法は「相手にしない」こと。ただ、生来の性格によるものかもしれないとも。
・悔しいと感じない性分なのです(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

5. 羨ましいと思わない

「生まれてこの方、誰かのことをうらやましいと思ったことは一度もないみたい」とおっしゃる村上さん。
これはもはや生来の性格なので、参考にならない気もしますが。なんとも羨ましい!
・他人をうらやましいと思いますか?(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

6. 自分については考えない

女子大生に「じぶんのことは好きですか?」と聞かれて、村上さんは、
あまり自分については考えないようにして生きています。なるべくほかのことについて考えるようにしています。ほかのことについてどう考えるかという、姿勢や考え方の中に「あなた」はいます。その関係性が大事なのであって、あなたが誰かというのは、じっさいにはそれほど大事なことではありません。そう考えていくと、少しらくになれるんじゃないかな。(自分のことが好きですか)
(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)
とお答えになっています。とても難しい内容なので、そのまま引用させていただきました。
村上さんはこういう表現をよくされますので、参考として柴田元幸さんとの対談を紹介します。
村上 話としては少しちがうんだけど、たとえば、柴田さんがここにあるコロッケについて原稿用紙10枚書くとする。柴田さんはただコロッケについて書いているわけであって、柴田さん自身について語っているわけじゃないんだけれども、そのコロッケについての文章を読めば、柴田さんの人柄というか、世界を見る視点みたいなものが、僕にもある程度わかるわけじゃないですか。

柴田: ええ、願わくば。

村上:でも柴田さんが僕に向かって直接、柴田元幸とは何か、いかなる人間存在か、というような説明をはじめると、逆に柴田元幸を理解することは難しくなるかもしれない。(『ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち』p279より)

7. 自分のブランドを高めるための努力はしていない

ただ小説を書いているだけ、とおっしゃる村上さん。こういうことでブランドが高まっているので、本当かな?と私は勘ぐってしまったり。
・ブランドを高めるための○箇条(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

8. 目覚ましをかけない!

自然に目をさますのだとか!
・隣にいる人を起こさずに早起きしたい(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

9. 同窓会に出ない

行ったことないし、居心地悪そうとのこと。
私もない。
・脱ぎ捨てた服のような(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

10.日本の現役作家について好き嫌いは言わない

理由は不明ですが、同じ流れで小説の審査員もしないのだそう。
自分は小説家であって批評家ではないから、ということかもしれません。
・「作家さん」に身体が慣れません(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』)

全体的に

村上春樹さんは、意識的に心が乱されないようにと心がけていることがわかりました。

どこか飄々としていそうな村上さんですら自衛しているのですから、私なんかが自衛せずに世界と向かい合えば傷だらけになるのは必定。自衛策は色々真似ていきたいです。

おまけ

ヤクルトファンで有名な村上さんですが、ヤクルトに夢を見ないようです!なんてこった!
ヤクルトは弱いのが当たり前なんです。野村監督時代が異常だったんです。なにを甘いことを言ってるんですか。むなしい夢を見るのはやめて、立ち上がって神宮球場に行きなさい。強いチームが好きなら、さっさと巨人のファンになりなさい。オレンジのタオルを振っていなさい。今年こそ横浜を引きずり下ろして、五位になろうではありませんか。(まず五位になろう!
(リンク切れ:書籍へ『村上さんのところ』))
これも心が乱されないように、との考えからかもしれません。

追記

むらかみさんのところが限定サイトだったため、大量のリンク切れになり大変見苦しい状況になり申し訳ありません。
なお、書籍版『村上さんのところ』の他に、電子書籍版もあるようですが、書籍版をおすすめします。
というのは、村上春樹ファンの場合繰り返し読むことが考えられますが、電子書籍版(キンドル)は、大変検索性に難があり、見たいところを簡単に見るのは困難だからです。


村上さんのところ
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