車上暮らしのメジャーリーガー
メジャーリーグの若手注目株のピッチャー、ダニエル・ノリスという人は、フォルクスワーゲンのヴァンで生活しているという。（The Man In The Van）
朝起きると、クーラーボックスから卵を取り出し、食べられるか、においを嗅いで調べてから調理する。車にはテレビもなく写真入りの雑誌すらない。ときどきホームレスと間違えられてお金を寄付されそうになることもある。
もちろんメジャーリーガーには手厚い福利厚生があるので、チームメイトたちのいるところに行けば、無料の朝食も出るはずだけれども、ノリスはそうはしない。
「たとえ野球の生活が人々からの注目を避けられないとしても、ヴァンでの生活ならそういうったものとは無縁な生活が可能だ」
「たとえピッチャーとして単調な繰り返しと緻密さが求められたとしても、ヴァンに戻れば自由な生活が保障されているんだ」
「陰と陽のバランスを整えるようなものだ」
「いいシーズンを送るには、上機嫌でバランスがとれた状態になって自分を見失わないことが必要なんだ。周りからは変に見られるかもしれないけど、機嫌よく過ごすためにはちょっとした冒険が僕には要るんだよ」
そういってダニエル・ノリスは周囲から変人だと思われても気にせず車上生活を続けているのだという。
練習後に球場から遠く離れたビーチに車を飛ばしてサーフィンしてキャンプしたりする、ワイルドな生活を送っているダニエルだけれども、彼の生活にはちゃんとした理由がある。
「シンプルライフ」を送ることはあくまで周囲に心を乱さないための手段なのだ。
多額のボーナスを得ても乱れた生活に陥らずに、淡々としている。
人生で何が大切かを冷静に考えて生きている。
そして自分のことだけ考えているわけでもない。
ファンが地球環境について考える手助けにもなりたいという願いも持っている。
「親切になれ、やさしくなれ。隣人を愛せ、気分よく過ごせ。シンプルでしょ」
ノリスはそう言う。
本当のシンプルライフ。それを垣間見た気がしました。
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